シンガポール在住、日本とシンガポールのハーフのよしかつ(@4shikatsu)です。
シンガポール人は海鮮料理が大好き。
中華料理でもインド料理でもマレー料理など様々な料理で魚が使われています。
そんな魚がどこから来ているかについて、これまで気にしたことがありませんでした。
普段食べているモノのルーツを知ることは大事。
ということで、週末の真夜中にシンガポールの漁港を訪れました。
シンガポールには2つ漁港がある!
シンガポールには漁港が西と北に2箇所あります。
1つは西のJurong Fishery Port(ジュロン漁港)。
1969年にできた50年の歴史を持つ漁港。
もう1つは北のSenoko Fishery Port(セノコ漁港)。
1997年にできた22歳の比較的新しい漁港。規模はジュロン漁港の4分の1です。
どちらもシンガポール農食品獣医庁(AVA)が運営していて、一般客が入場する際は、身分証明書をセキュリティに預けて、場内に入ります。
というのも、国民の食に関わるということはもちろん、国外に出ることができるエリアがあるため、しっかりとしたセキュリティ管理がなされています。エリアによっては写真撮影が禁止されています。
また、併設されている市場では業者に卸売をしていて、そこでは一般客も魚を買うことができます(お店によっては断られる場合もあるようです)。
この2つの漁港から、シンガポール国内のレストラン、スーパー、ウェットマーケット、更にはRedmartやAmazonなどオンラインショップへ新鮮な魚、魚介類が毎日供給されています。
今回は、Jurong Fishery Port(ジュロン漁港)を訪れました。
Jurong Fishery Port(ジュロン漁港)
漁港で働く方たちは深夜23時頃から1日が始まり、深夜0時~2時頃に一番市場が活気づき、まだ暗いうちに1日が終わる毎日。
自分とは全く違う生活をしている人々の生活の一部を覗いてみました。
日本では、漁師さん→漁港で働く人→卸売業者→レストランといったサプライチェーンに関わる人たち全員が日本人というケースは珍しくないと思います。
一方シンガポールでは、漁師さんはインドネシア人やマレーシア人が多い、漁港で働く人たちもシンガポール人だけでないなど、魚のサプライチェーンに関わる人は多国籍。
魚はインドネシア、マレーシアといった近隣の国から船で来るだけでなく、タイからトラックでも毎日来ています。
市場には100社以上の露店が出店していて、魚の処理もここで行っています。
シンガポールで人気の「フィッシュヘッドカレー」に使われるフィッシュヘッドも、ここでカットされて売られています。
また、シンガポールの市場では”競り”がありません。
僕の知っている漁港では怒号かと思うぐらいの掛け声が飛び交っていますが、それと比べると大分静かな印象です。
競りがない代わりに、各露店で値段交渉が行われています。
ジュロン地区は工場が多く、インド系ワーカーが多く住んでいます。
彼らは、この漁港で安く魚を買うことができるのを知っているので、土日や祝日に買い物に来て、寮に持ち帰って食べています。
(僕も近くに住んでいたら、買いに来たい!!!)
各お店にはテーブルがあり、ここでは会計をやっていて、会計は大抵社長さんがやっています。
魚が少ない時期はイスラム系のハリラヤ、タイ系のソンクラン、中華系の旧正月といった各民族の休みの時期は働く人が少なって、また、11-12月のモンスーンの季節は漁獲量が減り、市場での魚の量が減り、魚の価格が上がります。
次世代の担い手不足が課題
今回、市場内にオフィスを構え、魚の卸売り販売を主に行っている「Hai Sia Seafood」という会社の、笑顔が素敵な3代目社長が見学を案内してくれました。
友達への市場案内がきっかけで、現在は、より幅広い人に漁港・市場の見学の案内をされています。
深夜勤務、肉体労働といった厳しい労働環境の中、次世代の担い手が年々減少していることが現在の大きな課題で、より多くの人に漁港・市場での仕事の重要さ、魅力を伝えたいとの思いから、見学案内を始めたそうです。
シンガポールに住む外国人としても、日々美味しい魚を食べることができているのは彼らのおかげ。
すぐには状況が変わらないとは思いますが、シンガポールのローカル情報を発信している身としては、これからも少しでも情報発信を手伝うことができたらなと思います。
最後に、漁港見学後、早朝に起き、ホーカーへ行き、大好きなPrawn Noodle(海老ラーメン)をいただきました。
ごちそうさまです!
よしかつ
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