タイ中部に浮かび、タイで3番目に大きな島・サムイ島。
島のいたるところにココナッツの木が生い茂っているので、別名「ココナッツ・アイランド」とも言われている。
従兄弟の結婚式に参加するために、そんな海と緑に囲まれた島に足を踏み入れた。
青い空、蒼い海、白い砂浜、ヤシの木。
「南国と言えば?」との問いに対して返ってくる答えを全て持ち合わせた、まさに南の島。
雨季が終わり、穏やかな日々が続く2月から6月がベストシーズン。
僕が訪れた3月上旬の日も、燦々と太陽の光が降り注いでいた。
人口は5万数千人程度、車で2時間程度で一周できてしまう小さな島。
年間の観光客は約100万人で、そのほとんどがヨーロッパなど欧米からだ。日本人は約3万人の少数派。
実際、街を歩いていて、日本人はもとより、アジア系の観光客には一度も会わなかった。
「ここはヨーロッパの島?」
今回僕は全く観光スポットについて事前に調べることはしなかった。
目的が結婚式への参加ということもあったが、ただただ島の自然に身を置きたかったからだ。
自然が大好きであるにもかかわらず、普段は自然に触れることの少ない生活をして、自分の中の”自然チャージ”が枯渇しかけていたので、一刻も早くチャージをしたかったのだ。
朝起きて、ハンモックに揺られながら、ゆるい夏曲を聴きながら、ぼーっと海を眺める。
心地よい風に吹かれ、まだ眠気が取れない僕は、そばに座っている犬と一緒にうとうと。
腕時計やスマホで時間を確認しない贅沢な時間。
徐々に短くなる影と空腹の音だけが時間が進んでいるのを教えてくれる。
「そろそろ、朝食食べようか」
シーツにくるまりながら、今更ながら観光スポットを調べてみる。
滝があるそうだが、小ぶりな滝なようだ。
通りにはタイ料理やバーが立ち並び、食事するには困らないが、1日を過ごす場所ではない。
つまり、見どころは海しかない。
想像以上に何もない島。
だからこそ何にも邪魔されず、自然と人を楽しむことができる。
波の音をBGMに、旅を共にする家族たちとの会話を楽しむ。
そして、静かに夕焼けを眺めながら、普段考え過ぎている自分を反省する。
「何をそんなに小難しく考えているんだ?」
「ヤシの木より高い建物は建てない」というルールがあるようなないような。
実際にはヤシの木よりはるかに高い建物が建っている。
リゾート開発の影響で、豪雨が続いた時に自然放水がうまくできず、洪水に見舞われることもあるみたい。
「開発を止めろ!」という声も出てるだろう。僕もどちらかというとそちら側。
でもあまりにも何もないと、逆のことを言うかもしれない。人間って勝手。
「あ、また小難しいこと考えている」
何も考えず、ぼーっとするのって案外難しい。
よしかつ(@4shikatsu)
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