シンガポール在住のよしかつ(@4shikatsu)です。
シンガポールの自転車シェアリング業界は6社が参入し、今まさに戦国時代。
2017年初頭より本格的サービスが始まり、爆発的人気が出て、100m歩けば必ず見つかるほど、街のいたるところでシェア自転車を見かけます。
先日、友達の@satoshi_gfa18がシンガポールに遊びに来てくれた時に、観光案内がてら試しに乗ってみると、ほんと便利。人気があるのも大納得です。
今日は「自転車シェアリングって何?世界の動向は?」「シンガポールの自転車シェアリング6社を試してみた」「自転車シェアリング業界の今後」の3本立てでお送ります。
自転車シェアリングって何?世界の動向は?
自転車シェアリングサービスとは、「街のいたるところに置いてあるレンタル自転車を、アプリでQRコードを読むだけで、好きな時間レンタルでき、好きな場所に乗り捨て可能なサービス」です。
現在、中国、欧州、アジアを中心に世界各国でサービスが展開されている今非常に熱いサービスです。
日本でも2017年6月に中国のmobike社が福岡市と札幌市と連携し、実証実験開始。
さらには、2017年12月にLINE社とmobike社が提携したニュースが流れました。
あらゆるサービスに共通しますが、普及させるにはいかにユーザーに便利さを与えるかが重要なポイントです。そういった中で、日本で圧倒的な存在感を見せるLINEアプリを使うことができるのは非常に大きな強みです。
2018年上期にはサービスを開始する予定とのことですが、自転車シェアリングの一番のウリである”好きな場所に乗り捨て可能”が日本では実施が厳しいと思われる中、どう攻めていくかが興味深いです。
また、市場の規模として日本以上に期待される市場がインドです。
インドのMOBYCYという会社が首都デリーでサービスを開始し、インドに新しいトレンドを生み出そうとしています。
僕はインドに6回行ったことがありますが、移動手段のメインは車やバイクです。自転車も走っているのを見かけますが、道路の整備状況もあまり良くない中、自転車での移動を生活の一部としてどのように組み入れさせていくか、続報に期待です。
シンガポールの自転車シェアリング6社を試してみた
冒頭で書いたように、現在シンガポールでは計6社が自転車シェアリング市場に参入しています。
中国発のofo(17年2月〜)、mobike(17年3月〜)とシンガポール発のobike(17年1月〜)、GBike(17年4月)、SG Bike(17年8月〜)、ShareBikeSG(17年12月〜)
この1年で怒涛の参入です。
6社の中で1社だけ異彩を放っているのは最後発のShareBikeSGです。ここだけマウンテンバイク専門というニッチを攻めています。
シンガポールレンタル自転車業界にマウンテンバイク専門の会社が参入し、計6社に。今後の保守体制や多様化がどうなっていくのか興味津々です。とりあえず自然の中をマウンテンバイクで駆け巡りたい! https://t.co/ixrDtNENhM
— よしかつ@シンガポール (@4shikatsu) January 15, 2018
各社のアプリと使い方
見た目と使い方はほぼ同じ、基本デポジット約4千円(49Sドル)、基本30分約40円(0.5Sドル)程度です。(それにしても台数が半端なく多い。。。)
(左上からmobike、obike、ofo、Gbikes、SG Bike、ShareBikeSG)
- アプリを立ち上げ、自分の近くにある自転車の位置を調べる
- 自転車を見つけたら、「UNLOCK」を押し、自転車に付いているQRコードを読み取る
- Bluetooth通信で鍵が自動的に開く
- 乗る
- 好きなところで、鍵を締め、tripを終了する
実際に乗ってみた
基本は「ギア無し」、「ライト無し」、「反射板有り」、「カゴ無し」です。しかし、同じ会社でも複数の仕様があり、ギアが付いているもの、付いていないものなど、個体差があります。
(スマホは上から、PCは左上からmobike、obike、ofo、SG Bike、ShareBikeSG。Gbikesのみ乗ることができませんでした。)
使ったアプリは6社すべて、実際に乗ったのは6社中5社です。
その中で最も使い勝手が良かったのはmobikeでした。高評価の点は次の通りです。
- 台数が多くすぐ見つかる
- QRコードの読み取りが速く、いらいらしない
- 車体が綺麗
- ギア付きで比較的快適に走ることができる
ただ、場所によって台数にも差があり、今回は限られた場所での調査でしたので、あくまでご参考まで。
自転車シェアリングの今後
先日、こんなニュースが流れてきました。
シンガポール、1週間歩道に放置されていたレンタル自転車を撤去&罰金1台500ドル。確かに放置っぷりは凄いので、利便性は少し下がるけど指定駐輪エリアをどんどん増やして、安全性と利便性両方を確保していって欲しい。 https://t.co/keCpAAGFxK
— よしかつ@シンガポール (@4shikatsu) January 24, 2018
街中に自転車が溢れていて、「整然と」は真逆の状態になっていて、歩行者の邪魔になっていますし、景観を損なっています。政府はこの状況は認識し、指定駐輪場の設置を進めたり、運営会社に対して罰金を取るなどといった対応を進めています。
しかし、すぐに「規制!禁止!」とはしていないので、自転車シェアリング業界自ら、どう社会と折り合いをつけながら発展していくかを見守っているようにも見えます。
各社は大量生産による自転車一台あたりのコスト低減、自転車の構成を簡素化することによるメンテナンスフリー期間の長期化などの企業努力をしています。
現在業界全体のユーザーは数百万人いるようですが、一人あたりの支払い金額はさほど多いようには思えません。そんな中、放置自転車への罰金やメンテナンスコストの支払いが今後増え、収益性の確保が難しくなっていくと予想されます。
実際、今回乗ろうとして壊れていたケースは10台以上ありました。乗りたいのに乗れない、これはユーザー離れの大きな要因になるので、迅速なメンテナンス対応が必要で、コスト増加は必至です。
来年以降、現在参入している6社中数社は淘汰されているでしょう。中国では何十社も参入しましたが、結局mobikeとofoだけが生き残りました。シンガポールでもサービス統合の話も出ています。
個人的には、ちょっとした運動になるし、環境にもいいし、そして何より便利な自転車シェアリングはますます広まってほしいので、今後各社の動向を要チェックです!
最後に、電気自動車、自動運転といった最新の技術を日々競い合っている現代において、自転車という大昔からあるシンプルな乗り物が、世界中で今これだけ注目を浴びているのはめちゃくちゃ面白いなと感じているので、それも応援したくなる一つの理由かも。
よしかつ
この記事へのコメントはありません。