シンガポールという国にはシンガポール人が70%、外国人が30%いる。
多民族文化で、多様性を受けいれている国。
肌の色の違い、言葉の違い、文化の違いにも寛容で何でも受け入れてくれる場所。
シンガポールはそんな国。
つい最近までそう思っていた。
僕自身シンガポールで暮らすようになってからまだ7ヶ月程度しか経っていないから、本当のところを理解しきれていないかもしれない。
でも、差別は確実にある。
シンガポールの人口構成
2016年に政府から発表された人口統計によると、、、
- 総人口561万人=シンガポール人(341万人)+永住権保持者(52万人):70%、外国人(167万人):30%
- シンガポール人の民族構成=中華系74%、マレー系13%、インド系9%
欧米人に対する見方
外国人167万人には、アジア系が多いけど、アメリカやヨーロッパからの人たちも多く住んでいる。
そんな中でよく耳にする言葉がこれ。
Ang Moh(アンモー/紅毛)
欧米系の白人を意味する言葉。
僕がこの言葉が使われているのを初めて聞いたのは決して良い場面ではなかった。
シンガポール人の叔母と一緒にいて、欧米人の方が近くを通り過ぎた際、ぼそっと「アンモー」という言葉が聞こえてきたのが、初めてこの言葉を聞いた場面。
意味を聞くと「Caucasian(白人)って意味だよ」と教えてもらったけど、彼女がアンモーをどう思っているかは聞くことができなかった。
言い方からして、きっとネガティブなんだろうなとは感じ取った。
ショックだった。
というのも、何よりも僕の義理の兄はアメリカ人だし、いとこにはオーストラリア人がいて、彼らはまさしくアンモー。
シンガポール人の親戚たちは、彼らと会えば楽しく会話し、Whatsappでのやりとりも時々やっていて、少なくとも表面上は仲良くしている。
”家族”なので大丈夫だとは信じているけど、万が一否定的な言葉が出て来たらかなり精神的なダメージを受けそうなので、この話題については深く踏み込めずにモヤモヤしてしまっている。
明らかに見た目がシンガポール人とは異なることから生じる感情なのだろう。
ただ、30代以下のシンガポール人の親戚たちからはアンモーという言葉は聞いたことないので、40代以上のシンガポール人にあてはまるのかもしれない。
そんな中、シンガポールの英語「シングリッシュ」についての記事(シングリッシュって何?オススメ動画5選!)を書くためにYoutubeで動画を調べていた時にこんなアメリカ人の方を見つけた。
2009年当時16歳だったアメリカ人のTyler Creasmanさん。
完璧なシングリッシュを操っている姿に、それまでシンガポール人以外が完璧なシングリッシュを話しているのを聞いたことが無かった僕は感動した。
9年間、人生の半分以上をシンガポールで過ごし、学校もローカルの学校であったため、自然に習得したとのこと。以前中国にも2年住んでいたので中国語もできるみたい。
何度かネットでメディアに取り上げられたことがあるようだけど、シンガポールの有名人Mr.brownのポッドキャストに出演したことで、CNNなどの大手メディアにも取材され一気に有名人に。
しかし、エレベーターの中で否定的なことを中国語でこそっと言われることもあるようで、そんな時ははっきりと「あなたたちが言っていることは分かります。欧米人に対してそんなこと言わないで。」とはっきり伝えているそう。
たくましい、、、
シンガポールに来る欧米人は駐在員とその家族が多く、彼らはローカルのシンガポール人とは住んでいるエリアが異なり、シンガポール人とは異なる生活を過ごしている人が多い。
これが互いに壁を作ってしまっている要因の一つなのだろう。
今Tylerさんが何をしているか分からないけど、もしどこかのメディアに引き続き出ているようであれば、シンガポール人にとっての欧米人に対するイメージを変えるきっかけになったら良いなと思う。
肉体労働者に対する見方
シンガポールでは再開発のため、メンテナンスのために、至るところで常に工事をしている。
シンガポールに多くの外国資本を呼び込むために必要な工事。
シンガポール国民に政府に対して満足してもらうために必要な工事。
そこでは近隣諸国から出稼ぎに来た肉体労働者が多く働いている。
僕の周りにいるシンガポール人の彼らに対する見方は良くないと思っている。
僕自身も外国から来た身だからそう思うのかもしれないけど、お金が目的であっても、「その国のためになること」「シンガポール人たちがやりたいと思わないが絶対必要なこと」をやってくれている人たちに対して、その見方は無いんじゃないかなと正直思っている。
差別はなくなるのか?
子どものころに気にならなかった自分と相手との違いが、歳を重ねていく中で色濃くなっていく。
違いを受け入れている自分に対する周りの目が気になることもある。
だから、違いをもし自然に受け入れることができないなら、放っておくのが一番。あえて絡む必要はない。
受け入れることができ、違う色を自分の中に取り入れていけば、自分をよりカラフルにすることができる。
それってきっとすごく楽しいと思う。
多民族文化で、多様性を受けいれている国。
肌の色の違い、言葉の違い、文化の違いにも寛容で何でも受け入れてくれる場所。
シンガポールはそんな国。
冒頭で書いた僕が思っているシンガポールの姿はもう少しだけ先の姿なんだと思う。
今は過渡期。
ただ、今の状態でも、小さな国にこれだけ多様な人々が平和に暮らしているのは奇跡。
シンガポール人たちの努力でここまで来たのだから、もう少し先の未来にも、あっという間に辿り着くことができるはず。
よしかつ
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