新卒で入った会社を退職し、しばらく海外を放浪していた。
初めての海外生活を前に不安と期待を抱えながら、次の長期休みがいつになるか分からないので、行きたいところに行きまくっていた。
実際は意外に早く長期休みをゲットしたが、それは後の話。
シンガポールと同じイギリス連邦の一員であり、トルドー首相のような淑女紳士が多く、大自然が広がっているイメージのカナダ。
当初の予定には無かったが、フライトの都合でカナダ最大の都市トロントに降り立った。
いつも通り、あまり下調べせず街をぶらつく。
先進国らしく高くそびえ立つビルの足元にはレンガ造りのヨーロピアンな雰囲気を醸し出す家が立ち並んでいる。
ギャップ萌えに弱い僕にとっては、まずこれにぐっと来た。
色鮮やかな街ゆく人。
耳をすますと英語、中国語、スペイン語が聴こえてくる。
漂う世界各国の食の匂いがお腹が空かせた僕を刺激する。
多民族多文化国家であるシンガポールと少し似ている。
違うことが当たり前。
「私は私」「俺は俺」。
皆がそう主張しているかのように感じる。
歩いていると、五大湖最小の湖であるが世界14位の大きさを持つオンタリオ湖に着いた。
中学生の時に地理で習った五大湖。
本の中の世界だった場所に自分がいる感覚。旅するごとに感じる感覚。
「本の中だけじゃないんだ、本当にある世界なんだ」と一つ一つ確認する作業が好き。
まだ太陽の日差しが強い季節。
近くのバーで湖からの風を感じながらビールをごくっと飲み干す。
少しほろ酔いになって、芝生でごろり。
トロント大学の学生たちもまったり学生生活を楽しんでいる。
「大学の時は人生の中で一番時間があったなー。ここに留学に来てたら人生どう変わっていたかな?」なんて、少し妄想の世界に入る。
妄想は楽しい。でも現実に戻るのが辛くなるから少しだけに留めておこう。
今を最高にしよう。
綺麗にお高くとまっているだけでない。ストリートアート文化もしっかり育まれているトロント。
壁アート大好き連盟会長の僕としてはヨダレもの。
壁アートは作者の思いがダイレクトに伝わってきて好き。
太陽の色が変わり始めた頃、街の中心地ではフィリピンフェスが開催されていた。
世界どの国に行ってもいる中国人、インド人に加え、最近はフィリピン人もかなり世界展開している。
フィリピンの勢い侮れない。
色々な愛の形が見える化されてきているこの頃。
好きな人に好きと言えて、一緒に居られるって素晴らしい。
「無理しなくていい、自分の好きな道を進めばいいんだよ」と教えてくれた街、トロント。
よしかつ(@4shikatsu)
この記事へのコメントはありません。