「海を見たい!」
会社でパソコンと向き合い、家に帰ってもスマホやテレビを見るデジタルな日々。
そんな日が続くと、全てを投げ捨てて無性に真っ青な海に出掛けたくなる。
思い立ったが吉日。
翌日のフライトを予約し、バックパックに荷物を詰め込み始めた。と言っている間に、あっという間に青の世界へ。
昨日までの灰色の景色が現実なのか、こっちが現実なのか、突然の変化に戸惑う。
昔ながらのやり方で確認する。
「痛い。うん、どっちも現実。」
鹿児島の奄美に初めて足を踏み入れた。レンタカーのアクセルを踏み、進めど進めど、目の前には同じ景色が延々と続く。
青い空、青い海、白い砂浜、青々とした木々。
退屈になる人もいるだろうが、僕にとってはパラダイス。幸せでしかない。日照時間が日本一短いと言われる島で、抜群の晴天。タイミングはばっちり。
マングローブも元気に生い茂っている。
ぐー
「あ、そういえば、今日はまだ何も食べてないな」奄美といえば鶏飯(けいはん)。
「とりめし?」
読み方すら知らなかったけど、かなり旨い。何で今まで知らなかったんだと後悔するぐらい。
空腹で元気が無くなっていた僕に、アンパンマンの顔と同じぐらい元気が注入される(食べたことないけど)。
「よし、次はどこに行こうかな?」全くのノープラン。
グーグルマップでビーチを探し、良さげなところに行く。
この繰り返しで辿り着いた黒崎ビーチ。
時期的にハイシーズンでは無いので、いるのは他に1組だけ。
ほぼ貸し切りの海にシャッターを切りまくる。写真に夢中になっていて、気が付くと夕日が沈みかけていた。
森山直太朗の「夏の終わり」を流しながら、車の中でぼーっと夕日を眺める。
普段気にしている細かい心配事がどうでもよくなる。
ちょっと行き詰まったら、いつでもここに来ればいい。
「無理したっていいことは何もないよな」今日の宿はAirbnbで見つけた一軒家。
畳のい草の匂いを感じながら、縁側に座り、猫と戯れ、奄美のお酒を嗜む。
楽しかったと思う。でもよく覚えていない。気づくと朝日が顔を出していた。今日も波音で1日をスタート。岩の隙間から覗く景色も何もかもが綺麗で、全て目に焼き付けたい。
全ての景色を独り占め。贅沢な時間。小高い丘を登る。
汗がじわっと出てくる。
10分ほど歩いて辿り着いた頂上。
向こうに見えるのは加計呂麻(かけろま)島。
僕がこれまで見た日本の景色で一番かもしれない。
今回来るまで、奄美大島については正直何も知らなかった。行きたいとも思ったことも無かった。
旅の候補地に挙がったのは、友達が以前この島でラジオのパーソナリティをしていて、凄く良いと言っていたのを思い出したから。
「来て良かったー!」旅の最後に夕焼けを見る。
普段の生活では、知らない内に日が暮れて、まじまじと夕日を見る機会ってそんなに多く無い。
朝日とともに起き、海辺の散歩で1日を始め、夕日とともに仕事を終え、星空を眺めながら美味しいものに舌鼓を打つ。
こんな生活が出来たらいいななんて妄想していたら辺りは真っ暗に。
奄美、ありがっさまりょうた(ありがとう)。また来るよ。
よしかつ(@4shikatsu)
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